2022年06月15日

一人暮らしの母(76歳)に不可解な言動や異常な動作が見られるようになりました。認知症ではなく高齢者てんかんと診断されました。「高齢者てんかん」について教えてください。

65歳以上の高齢者に初発し、発症率は100人に1~2人の「高齢者てんかん」は静かで地味な発作であり、ふいに意識を失って数十秒程度動作が停止し、それから回復に向かう過程で数分から数時間ときには数十時間にわたり意識がもうろうとした状態が続きます。その時の様子が似ていることから認知症と間違えられます。本疾患は抗てんかん薬で発作がコントロールされ治せる病気ですが本人には自覚がなく診断が難しい病気です。上記の発作時には、多くの場合わずかに口元がもぐもぐ動いたり、手足が勝手に動いたりする「自動症」がみられます。ご家族や身近におられる方がこのような発作時の状況を観察されまたは動画に撮影してお話しいただければ本疾患を疑うことができます。

副院長 亀田 秀樹

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